「小さな菜園」  L 赤尾勝一
           

             

我が家には2坪程の小さな菜園がある。
庭の梅の花が咲き、桜の便りが聞かれるころには、冬の間に大変お世話になったホーレン草やネギが大きくネギ坊主をつけ、小松菜は黄色く可憐な花をいっぱいつけて咲いている。
 周りにはパンジーが赤やピンクの色とりどりの花をつけ彩っている。
 この菜園もゴールデンウイークを迎える頃になると近くの大国魂神社のお祭りや、地元の農協などで苗を買い求め夏野菜との交代だ。かっては色々と植えてみたが、夏の葉っぱものは虫がつきやすく難しい。今では薬味に重宝するシシ唐や青ジソ、秋には真っ赤に色ずくトウガラシやオクラだ。
 又ナスやミニトマトなどは、孫たちの野外観察にもなっている。そして周りに咲く花は遠く離れて住む娘から送られたヒマワリの種が大きく育ち、夏から秋にかけて家中を明るくにぎわしてくれる。
 我が家の近くには、その昔、将軍が鷹狩りをしたと言われる「お鷹の道」がある。
今も武蔵野の面影を残し、国分寺史跡へと続く道は、名水百選にも選ればれた湧き水があり、そこは一年中緑が茂り、都内や各方面より大勢の人々がリュックを背負い訪れる。その道端の農家では新鮮な野菜が無人販売されている。
 大根やキュウリをはじめ、どの野菜を見ても見事で美しい。それに比べ、我が家の野菜は虫が喰い見た目もさえないが、何と言っても無農薬だ。野菜クズが埋められた土はホコホコで柔らかいし、まさに自然農法の有機栽培の野菜たちだ。
 冬の間、餌の少ない季節ともなると、申し合わせたように鳥達が集まってくる。ムク鳥やヒヨドリは「ウンこれはうまいぞ!」といっているようで競って、ついばんでいる様子は心楽しいものである。そのような訳で小さな小さな菜園はみんなのオアシスである。